田中要次さん #5 田中要次さんインタビュー(氷室竜次 役)

今回演じている氷室に、どんな印象をお持ちですか?

 イヤ〜な印象から始まっています(笑)。親族に、もう会いたくない、もう二度と顔を見たくないと思われている、そんな迷惑な存在ですからね。よく考えたら、二番目のお父さんの従兄弟ですから、エリーとは血は繋がっていないんですよ。だから、あんまり親戚面するなよっていう感じなんですけどね。「父ちゃんの従兄弟やぞ」って言っても、血繋がってないじゃん!って(笑)。6話でも同じセリフを言うので、なんか突っ込み入れて欲しいですね。

演じていて難しい点や、特に気をつけていることなどはありますか?

 それはもちろん土佐弁です。一音でも間違えるともうパニックになっちゃいますね。方言指導の方の音源を聞きながら、イントネーションを覚えて、歌を歌うような感じでやっていますけど、たぶん音痴なんだろうなぁ(笑)。それなりにお芝居をしながらセリフを言って下さっているんですけど、実際に演じてみると、音源のままっていうのも難しいですし、気持ちを入れるとイントネーションが変わってきちゃったりして……。いやぁ、方言は本当に難しいです。

演じていて共感する部分やご自身との共通点がありましたら教えてください

 自分の親族にも氷室みたいなヤツがいたなぁと思いながら演じています。怖い人を呼び寄せるようなのが僕の身内にもいたんです。そう考えると、自分と同じ血が流れている人間にそういうヤツがいたということは、そのまんまやってもそれっぽくなるのかなって(笑)。すまないと思いながらもずうずうしいっていうね。まぁ、本人は返そうと思っているからまた顔を出せるんでしょうしね。じゃないと、何でまた来るの?っていうことになっちゃいますから(笑)。

ここまで撮影した中で、特に印象に残っているシーンはありますか?

 エリーのお金をもぎ取って走っているくだりは長かったですね。一日中走ったんじゃないかなっていうくらい、どうしてこのシーンこんなに長いんだろうって思いました(笑)。「まだ追ってくる」っていうセリフのために、いろんなところをいっぱい走ったんですよ。最近あまり運動をしていないので、二日目くらいに体にきました。あとは、捕まったら必ず絞め技をかけられるので、出てくるたびに首絞められるのかなぁって思いながら演じてます(笑)。

現場の雰囲気はいかがですか?

 なにしろ優ちゃんがすごく明るく現場を盛り立ててくれているので、楽しいです。本当に明るい子で、100メートル離れて見ていても、何やってるんだろう、楽しそうだなって思うくらい。やっぱり初主演だし、現場を盛り立てていかなきゃっていう気持ちが大きいんでしょうね。

今回のドラマは、貧乏で不幸ながけっぷち女・絵里子の痛快サクセスドラマですが、これまでに「いま、崖っぷちに立っている!」と思うような体験はありましたか?

 いまも崖っぷちです(笑)。そういう危機感というのは、常に持っていなきゃいけないのかなと思っているので。いままでのことを思い出せば、いろいろあります。スタッフとして照明トラックの運転をしているときに事故を起こして、ケガはなかったんですけど、トラックを大破させてしまって。それまではスタッフ兼業でやっていたんですけど、それを機にスタッフを辞めました。さらにその昔、サラリーマンをやっていましたが、会社を辞めるきっかけも事故だったんです。プライベートで交通事故に遭って、その処理をしているときに、東京に行こうっていう決心して。同じ失敗をするなら自分が選んだ道で失敗した方がいいやって思えたんですよね、逆説的に。
 崖っぷちって何か人生の転機を与えてくれると思います。西原さんもいろいろな経験があったから、絶対にこれで食ってやるっていう根性を持てたのかもしれないですしね。僕も親族のことから始まって、何度か普通の人が経験していないことを経験して、そのときは辛いんですけど、そのうちにどうにかなるだろうっていう楽観的な考え方になるんですよ。いつかこれを笑い話にしようって。だったら普通の人が経験しないことにいっぱい遭った方がいいやって。今だから言えるんですけどね。だから、厄年のときに厄払いをしなさいってよく言うけど、僕はそれだけは誰から教えられたっていうわけではなく、やったことが無いんです。役者ですから、役がなくなるという、そっちの韻も踏んでしまうので。役者はうれしいことだけじゃなくて辛いことも知っていなきゃいけないと思うから、それは受け入れなきゃダメだろうって。そう思っていた方が、いざそういうことが起こっても凹まずに済むじゃないですか。実際は、ちょっとしたことでも凹んだりしますけどね(笑)。前に使ってくれた監督が、新しい作品に入っているのに自分が呼ばれていないときは、すごく落ち込みますね。

最後に、この作品のみどころと視聴者のみなさんへのメッセージをお願いします

 日本中、世界中にエリーを見て共感している人がいると思うんです。そういう人たちには特に、エリーを見て、ときには笑ってときには泣いて、元気になってもらいたいなと思います。作り手側としては、そういう人たちに勇気を持ってもらえたら本望ですね。
 氷室は……最初はゴキブリの様なヤツなのかなと思っていたんですけど、6話ではエリーに助言してるんですよ。現れ方があまりにも唐突で妖精みたいだなって(笑)。これから、すごい活躍をしたらうれしいですね。エリーとは血が繋がっていないから、もしかしたらエリーにラブになって、平林くんの応援をしていたくせに勝手にライバルになったり、鴨田くんともライバルになったりとかね、あるいは「私が本当の父だ」って言ったり……。そうなったら面白いですね。みんな「えー!」って(笑)。