第8話おさらい(2010/08/27放送)

 テレビ出演に端を発した騒動のおかげで、貧乏漫画家に逆戻りしてしまった絵里子(山田優)。しかし、絵里子はめげることなく、売り込み攻撃で漫画家として成功するまでの道、さらに転落劇までをもネタにした漫画『売り込みものがたり』の制作に意欲を燃やす。

 そのころ、『週刊秘宝』を発行する文暁社では、社長が代替わりする事態が起こっていた。新社長となる桐野達彦(上川隆也)は、長年ニューヨークで経営コンサルタントをしており、“徹底した組織と事業の改革および合理化”を掲げ、会社に利益をもたらさない雑誌を1カ月以内に廃刊すると宣言! ターゲットとなった雑誌には『週刊秘宝』も入っており、編集長の梅本(大杉漣)は考え直してもらおうと頭を下げるが、桐野は「私に従えないというのなら、今すぐ辞めて頂いて結構」と、取り付く島も無い。

 そこへ、廃刊の話を聞きつけた絵里子が駆け込んできた。『週刊秘宝』を下品な雑誌と罵倒する桐野に、思わずカッとなる絵里子。梅本はそんな絵里子を制し、再度桐野に頭を下げる。すると桐野は、「1カ月で売り上げ部数を倍にするなら廃刊は白紙」という条件を出してきた。梅本の指揮のもと、編集部はダメモトでこの条件に挑戦することに…。


 絵里子はさっそく売り上げアップにつながるような大スクープを探しに、街へと飛び出す。そんな絵里子の前に、またしても親戚・氷室(田中要次)が現れ、金を無心してきた。ブチ切れた絵里子と氷室は揉み合いに。すると、二人を止めようとした正宗(小泉孝太郎)のカバンから飛び出した雑誌が、絵里子の目に留まる。そこには鴨田(塚地武雅)が戦場で撮った写真「奇跡の一枚」が! 初めてその写真を見て衝撃ともいえる感動を覚えた絵里子は、『週刊秘宝』の危機を救うため、「奇跡の一枚」を掲載して“鴨田丈一特集”を組むことを思いつく。しかし、当の鴨田は「この写真のことはもう忘れたいんだ」と言い、頑として首を縦に振らない。

 そんな中、鴨田がかつて名の知れた戦場カメラマンだったことを知った桐野は、新創刊の雑誌への参加と、その発表を兼ねた写真展への参加を持ちかける。だが、鴨田はその話をも断ってしまう。そんな鴨田に、なぜ本当のことを言わないのかと詰め寄る正宗。先日、鴨田と梅本の会話を偶然聞いてしまった正宗は、「奇跡の一枚」が鴨田によって撮影されたものではないことを知っていたからだ。絵里子やこの写真に感動した大勢の人間を騙していることになるのでは……という正宗の言葉に背中を押された鴨田は、絵里子に本当のことを話すことを決意。一方の正宗も、梅本から事の顛末を聞かされる。


 中学生のとき、テレビで戦場カメラマンのドキュメンタリーを見て感動した鴨田は、アルバイトでお金を貯め、23歳で初めて戦地を訪れる。しかし、爆撃音に怯え、道に転がる死体から目を背け、放浪している間に被災地に辿り着いた。そこで子どもたちと仲良くなった鴨田は、被災地に暮らす人々の写真を撮り始める。人間が死んでいく写真ではなく、生きている姿を撮りたいと思ったのだ。そんな中、子どもたちにカメラを貸したところ、ひとりの子どもがシャッターを押してしまった。帰国後、そんなこととは知らない梅本が、鴨田には内緒でフォトジャーナリスト大賞にその写真を応募、なんと大賞に選ばれてしまったのだという。それが「奇跡の一枚」の誕生だった。だが、どうしても本当のことを言い出せず、かといって期待されればされるほど、後ろめたさとプレッシャーで戦場カメラマンを続けられなくなってしまった……そんな鴨田の告白に、複雑な気持ちになる絵里子。

 翌日、鴨田は桐野にもすべてを打ち明け、改めて写真展への参加を断るが、桐野は「君に選択権はない」と言い放ち、もし引き受けなければ、『週刊秘宝』をいますぐ廃刊にすると鴨田に迫る。


 その夜、鴨田は絵里子の部屋を訪れると、いままで撮ってきた写真や戦地でつけていた日記をすべて渡し、自分のことを漫画に書けと言い出す。それを『週刊秘宝』の目玉企画にしろというのだ。このままでは自分は前に進めない、もう終わりにしたいと言われた絵里子は、鴨田が撮った温かい写真の数々を見ながら、しっかりとうなずくのだった。

 数日後。絵里子が懸命に描き上げた漫画を読んだ梅本は、次号で「偽りの戦場カメラマンの告白」と題した鴨田の特集を組むことを決める。そして、その号が発売される日は、新雑誌創刊記念の写真展のオープニングの日でもあった。あいさつの後、『週刊秘宝』の最新号を目にした桐野は、怒りで顔を歪ませる。



 そこに絵里子と正宗が姿を現した。鴨田のブースにある写真を見た絵里子は、来客たちの前で「これは鴨田の写真じゃない!」と発言。そこに飾られていたのは、「奇跡の一枚」以外、桐野が用意した別の人間が撮った写真だったのだ。会場がざわつく中、桐野は絵里子の発言を否定するが、絵里子は大きな賞を取ったという神輿を担いで、金儲けの道具にしようとしている桐野を非難。鴨田は本当に写真が好きで、出会った人が好きで、『週刊秘宝』に掲載された写真にはそれが溢れているのだと言い放つのだった。

 特集のおかげで、目標の売り上げを達成した『週刊秘宝』は存続が決定した。だが、梅本は桐野に辞表を提出する。そして、鴨田の部屋からは一切の家財道具が消え、彼の姿も消えてしまった。シーンと静まり返った部屋で、鴨田の名前を叫ぶ絵里子で……。